バフェットに学ぶ株式投資の方法
株式投資の神様と言われているウォーレン・バフェットの投資方法はとてもシンプルです。
割安の株を見つけて、長期にその株を保有するというモノです。
私もバフェットの投資関連の本を何冊も読みました。
いつの時代でも色あせないバフェットの投資哲学はとてもシンプルで素晴らしいモノです。
株式投資に迷いを感じた時にバフェットの言葉を読み返すと株式投資を始めた頃の初心に戻ることができます。
そして、また一からマーケットに立ち向かえるようになるのです。
そんなバフェットの投資方法とはどのようなモノなのか簡単に書いていきます.
目次
ウォーレン・バフェットとはどんな人なのか?
オマハの賢人ウォーレン・バフェットは1930年に米国のネブラスカ州オマハで生まれ、現在もオマハを中心に暮らしています。
その為に敬愛の念を込めてオマハの賢人と呼ばれています。
バフェットは、オマハに暮らしながら投資会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOを務めています。
繊維会社だったバークシャー・ハサウェイ社を1965年に買収し再建に乗り出しましたが残念なことに繊維事業を立て直すことはできませんでした。
しかし、保険事業を中心とした投資会社として生まれ変わり、
数々の企業への投資を繰り返し、
今では、世界でもトップクラスの巨大企業、
投資会社として成長しています。
ウォーレン・バフェットの総資産は日本円で7兆円とも9兆円とも言われています。
バフェットの投資のルールは
株式投資で一番難しいのは銘柄選びではないでしょうか?
過去にバフェットは、株式の銘柄の選択ルールについて言及しています。
その内容を簡単にまとめると以下の通りです。
①誰にでもわかるシンプルな事業である
②経営者が倹約家で優秀である
③商品やサービスに独占力がある
④企業としてのブランド価値が高く、歴史のある企業であること
⑤多額の負債を抱えていないこと
⑥高いROEを長年に渡り維持している(20%以上の企業が多い)
⑦EPS(1株あたり利益)が着実に増加している
*ROE とは?
株主が投資した金額で、企業がどのくらい利益をあげているのかがわかる指標です。
つまり、ROEが高い銘柄ほど、効率的に株主資本を活用できているといえます。
とてもシンプルで素晴らしいルールです。
銘柄を選ぶ時に数字だけみて投資をするとその会社に思い入れがない為に長期的な投資では失敗することがあります。
その会社に自分自身が将来的に不安があるためです。
自分が応援したい企業で現在マーケットで割安で売られていて、
将来性があり長期に保有しても自分が安心だと想う銘柄を買うことが大切です。
誰でもが知っているこれらのルールに当てはまる企業が、
バフェットが長年投資し続けているコカ・コーラやアメリカン・エキスプレスになるわけです。
バフェットが投資している銘柄は何か?
バフェットの保有銘柄、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオを構成しているのは?
有名な話でウェルズ・ファーゴ、コカコーラ、アイビーエム、アメリカン・エクスプレスの4銘柄でポートフォリオの全体の約半分を占めています。
これらの銘柄は、「バフェットのBIG4」とも呼ばれ、
バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの根幹となっています。
誰でもが知っている、
アメリカの会社の株式を長期的に保有するというとてもシンプルな投資方法です。
もちろん、他にも保有している株式はありますが、
大型株を柱に割安と思えば末上場の会社でも巨額な買収を行う投資会社でもあります。
そして、バフェットは、バリュー投資を実践しています。
*バリュー投資とは、
実際の価値よりも割安に放置されている株を購入し、本来の価値に戻った時に売却して利益を得る投資手法です。
バフェットは、割安と思った株式であれば、株価が下がった時を見計らい、すぐさま購入に向かう。
そして、株価が戻ったらすぐに売る。
金融危機があったときは、絶好の買い場であります。
リーマンショックの時、世界中の投資家が悲鳴を上げて株式を投げ打っているときに、バフェットがゴールドマンサックスやGEの株を大量に仕込み、大きな利益を上げたのはとても印象的でした。
そこで、買えるというのもバフェットの凄さです。
何だ簡単な投資方法だと思うかも知れませんが以外と株式投資を始めるとこれがとても難しいのです。
大型の株式は投資金額がかかります。
そこで少額でも有名な銘柄を購入出来る、ミニ株やワンタップバイ等を活用する。
また、株価が安い銘柄でも将来性がありバフェットのルールにすべて当てはまらなくても、
自分が自信が持てる会社の株式を購入するべきです。
バフェット投資の銘柄選びとは
〇ROE 20%以上の会社を選ぶ
日本の投資家はあまりROE を見ないと言われています。
しかし、ROE(株主資本利益率)は、
バフェット投資では、銘柄を選ぶ上でとても重視している指標の一つです。
株主から預かっているお金をどれだけ効率的に利用して利益を生み出しているかを測る指標で、
一般的にROEが20%以上の企業は優秀と言われています。
配当も良い企業が多いのもメリットです。
株主に好かれる企業であるとも言えます。
アメリカは、昔から日本に比べてROE重視の経営を行っている会社が多いと言われています。
*日本ではこれまでROEを重視した経営をしていない会社が多かったのも事実です。
しかし、現在は会社は誰のモノなのか株主に利益がでたのであれば還元するべきと日本でもROEの高さを考慮したJPX日経インデックス400という指標が2014年から導入されています。
また、ブランド力はありませんが高い成長率が見込める新興企業(東証マザーズ上場銘柄などのベンチャー企業)は、高いROEになっているケースが多いです。
ブランド力、そして高い30%以上のROEを10年以上も継続しているコカ・コーラ社は物凄い企業です。
ROE を10年、20年と続けられる企業はあまりありません。
そこで、まずは全体に投資をするインデックスファンドをオススメする訳です。
わかりやすいシンプルな企業である
どのような投資でも言えることですが、
バフェットは自分のわからないモノには投資をしないと言っています。
わからない企業や仕組みがわからなかったら投資を行わないことです。
不動産の知識がないのに儲かるからと不動産投資を始めることこれは間違いなく失敗に終わります。
リスクとは自分が何をやっているのかよくわからない時に起こるモノ
そして、株式投資、バフェット投資では誰にでもわかるようなシンプルな事業を展開しており、
経営者が優秀な会社に投資をすることと言っています。
日本の企業の多くは売上を伸ばすために事業を多角化したり、
M&Aによって新しい分野に事業領域を拡大することが多く、
一つの事業を確実に真面目に続けている会社はあまりありません。
また、提供している商品やサービスが国内または世界で圧倒的なシェアを誇っているという条件を付けると、さらに難しくなります。
しかし、探せば見つかりませんか?
ひとつのモノや技術を世界的なシュアで行っている企業はあります。
コカ・コーラのブランド力やブランドの資産は会社自体の資本よりも大きいモノです。
バフェットの保有しているコカ・コーラ社は、
飲料を製造販売するという事業に特化し、
その主力製品でもある「コカ・コーラ」は誰もが知る圧倒的なシェアを獲得しています。
また、いくつもに分散して投資をする人がいます。
リスクヘッジとして分散投資はとても大切です。
しかし、あまり銘柄を多く保有していても株価が追えないモノです。
また、あまり知らない会社の株式を複数もっていても意味がありません。
分散投資は無知に対するヘッジである。
自分で何をやっているのかわかっているものにとって、
分散投資はほとんど意味がないとバフェットは言います。
自分で調べて納得した銘柄を買うことが株式投資の基本です。
また、自分の購入した株が思ったように株価が上がることが投資の醍醐味でもあります。
安定した長期的な投資である
バフェットは、株式を債券のように債券に例えて長期的に運用しています。
債券は安定した利益を毎年生み出してくれる金融商品です。
*債券とは?
国家・公共団体・銀行・会社等が、事業に必要な資金を借り入れるため発行する有価証券。
バフェット投資は、
長年に渡り安定成長を続ける銘柄を選び、
ベンチャー企業のようなグロース株(成長株式)には投資しません。
日本のマーケットは安定性には欠けると思います。
日経平均は、マーケットの値動きを見るとわかるのですが、ダウや世界経済の動きで大きく動きます。
マーケットが小さい日本では株価が安定しずらく、
バフェットが求める「債券投資のような株式投資」が実現しにくくなっています。
*インデックスファンド投資についても日経平均よりもS&P500に投資をする方が安定しています。
話はそれますが、マーケットの安定性や経済成長は、
人口の増加と深い結びつきがあります。
投資をするなら当然、人口の増加に伴い経済成長が期待できる国に投資するほうが良いです。
しかし、日本は今後、人口が減っていくことが予想されており、高い経済成長を続けるのが難しくなっています。
一方で、アメリカは少なくとも2100年まで人口が増加すると予想されています。
人口増加や経済的な成長率を考えてもインデックスファンド投資は日本よりもアメリカや世界に投資をするべきです。
〇S&P500は、
過去約50年間に年間平均9.9%のリターン(複利)と十分素晴らしい成績を残しています。
しかし、それを遥かに上回るのがバークシャー・ハサウェイの成績です。
50年間の年間平均リターン(複利)が約20%という驚くべき数字を叩き出しています。
物凄い数字です。
この数字のマジックは投資で得た利益も投資に回しているからです。
私たちの投資でも株式投資で利益が出たら少し贅沢してみようと思うこともあるかと思います。
しかし、大きなリターン複利を得るのであれば株式投資で得た利益もまた株式に投資をすることです。
バフェットの年利20%は長期的に保有していて得た利益もまた投資に回しているから20%という驚異的な数字が叩きだせるのです。
これだけ長期間に渡って驚異的なリターンをあげてきたので、バフェットが伝説の投資家と言われるのです。
最後に
ウォーレン・バフェットは倹約家でもあります。
食事は本当にマクドナルドのハンバーガーを食べて、
チェリーコークを飲み、洋服も家も着飾ることはありません。
私達も見習いたいモノです。
バフェットの投資は長期的な投資でとても堅実的な投資方法です。
しかし、バフェット投資で私がとても凄いと思うのは、
バフェットがコカ・コーラを買ったのは、
コカ・コーラ社がトラブルと経営の混迷から経営者の交代によって抜け出し、経営が完全に軌道に乗ったときでした。
その時に、コカ・コーラ社の株価はすでにかなり高くなっています。
誰もがこんな高値で買って大丈夫なのかと言っていました。
しかし、バフェットは「10兆円もらってもコカ・コーラを倒す会社は作れない」と言いい、
巨額の資金をコカ・コーラに投じます。*順張りのようなこと、株価が高くなるのに乗っかって買うこともするのです。
また、かなり良い会社だが永久保有するまでの自信がないという場合は、早くて2年、長くて10年、だいたい5年程度で売却もします。
損切りも徹底しているのです。
割安ではなくなる、企業の成長性に影が出てきたら迷わず売却することもするのがバフェットなのです。
そして、
「市場平均のPERが20倍程度になる」
「株式市場の時価総額がGDPを超える」
「中央銀行が利上げをし始める」時には現金比率をかなり高めたりもします。
冷静にマーケットを読みとく、バフェット投資術、本当に見習いたいモノです。