知って納得ETF その仕組みとは
ETF は証券会社で株式と同じように売買ができます。
様々な金融商品がありとても人気のあるモノです。
しかし、ETF の仕組みを理解していない人がほとんどです。
そこで、ETF の仕組みを簡単に解説していきます。
目次
ETF の価格はどのようにして決まるのか?
ETFの価格は市場の需給で決まります。
しかし、日経平均やTOPIX に連動するために
需給要因でETFの価格は理論値から大きくかい離することを避ける仕組みがETF にはあります。
*かい離率とは?
一般的に株式投資の場合、売られすぎた銘柄は買われ、買われすぎた銘柄は売られる傾向があります。
この「売られすぎ、買われすぎ」を判断するひとつの材料が株価と移動平均線の乖離率です。
これを移動平均乖離率と呼んでいます。
本来、株価と移動平均線との距離は接近したり、離れたりしながら推移しますが、時として極端に離れることがあります。
一般的な株式の証券取引所の価格は需給で決まります。
証券取引所には、株を買いたい人と売りたい人が集まり、株を取引します。
買いたい人が多ければ株価は上がり、
売りたい人が多ければ株価は下がります。
このように株は需要と供給により株価が変化する仕組みです。
仮想通貨も買いたいという人達がいるから価格が上がっていくのです。
仮想通貨等の乱高下が激しいモノでもファンドの上場や先物取引の上場により価格が安定していくことも考えられます。
ETFにある価格を調整する仕組みとは
しかし、ETFも株と同じように需給で価格が決まりますが、
価格を調整する仕組みがあります。
ETFも証券取引所で株と全く同じように取引されています。
やはり売り手と買い手の需要と供給により価格は決まる仕組みです。
しかし、この仕組みだと問題があります。
1つのETF だけ人気があり日経平均よりも大きくかけ離れてしまうと大変なことになります。
例として、日経平均のETFは日経平均の動きに連動して価格が動くはずです。
日経平均が上がっているなら、ETFの価格も上がらないとおかしいことになります。
そんなときに、ETFを売りたい人ばかりで買いたい人が少なかったら、
ETFの価格は下がってしまうのでしょうか?
すなわち、日経平均が上がっているのに、
ETFの価格は下がってしまうのでしょうか?
そのような事態を避けるための仕組みがETFにはあります。
それが*マーケットメイクです。
マーケットメイクとは?
取引所における株式の売買方式の一種を指し、
投資家の売り注文、買い注文に対して「マーケットメイカー」として届けている証券会社がその注文の相手方となって売買を成立させる方法です。
ETFにはマーケットメイクにより、
市場の需給を調整し、価格を適切な水準に保つ仕組みがあります。
マーケットメイクはETFの価格を理論値からかい離しないようにする仕組みです。
ETFも売り手が多ければ、価格は下がってしまうのが市場のルールです。
そこでマーケットメイカーが登場し、
需給要因でETFの市場価格が理論値からかい離することを防ぐ仕組みが構築されています。
売り手が多く買い手が少ない場合、
マーケットメイカーは買い手となり、需給を調整し価格が理論値からかい離しないようにします。
逆にETFの買い手が多い場合はどうなるのでしょうか。
買い手が多く売り手が少ない場合、*マーケットメイカーは売り手となります。
マーケットメイカーはETFを保有していて、それを売却することで売り手となります。
こうしてマーケットメイカーが需給を調整して価格のかい離を防ぐ仕組みとなっています。
運用している会社ではなくマーケットメイクを本業とするトレーダーの会社があるのをご存じでしょうか?
ETFのマーケットメイク制度
長期投資に向いているETFに流動性を提供してくれるマーケットメイカーに対し、
東証が手数料の割引などのインセンティブを与えています。
投資家が売買をしやすくなるよう、
東証が身銭を切ってマーケットメイカーに流動性をつけてもらっています。
インセンティブの見返りとして、
マーケットメイカーはETFの発注銘柄数や発注数量、
スプレッドの幅といった義務を負うことになっています。
この制度により国内のETF が、
より投資家にとっても優位に働いたことで国内のETF が盛り上がっています。
マーケットメイカーが買い手・売り手の足らない方に回ります。
株は需給で価格が動く、ETFは需給で株数(口数)が動く
ETFを買いたい人が多ければ、口数は増えます。逆に、ETFを売りたい人が多ければ、口数は減少します。
マーケットメイク制度により板が熱くなってきています。
ETFは需給で価格が動くのではなく、
需給に応じて口数が増減することで、ETFの価格が保たれる仕組みとなっています。
ETF の運用会社の仕組み
ETFではまず、証券会社や機関投資家などが市場で買い付けた現物株の集合、
ファンドに組み込まれているすべての銘柄を運用会社に渡します。
それをもとに運用会社がETFを設定し、
証券会社や機関投資家が運用会社よりETFの持分を示す「受益証券」を受け取ります。
簡単に説明すると証券会社が持っている現物をETF と交換していることになります。
逆に、証券会社は持っているETFと、現物株を交換することもできます。
現物株とETFは相互に交換できますので、本質的な価値は同一となります。
現物株の集合体の動きとETFの価格の動きは連動します。
例えば、現物株の集合体がすべてのインデックスファンド銘柄で構成されていれば、
その現物株の集合体と交換できるETFはインデックスファンドに連動することになります。
機関投資家や証券会社に対して発行されたETFの受益証券が、
証券取引所に上場され、一般の投資家は、
上場されたETFの受益証券を市場で購入したり、
売却したりすることでETFの取引を行っています。
まとめ
東証のホームページ等で新しい制度の導入や変更等が誰でも観られます。
マーケットの変化により国内のETF も今までよりも盛んになり人気が出てきています。
金融商品の仕組みを知ることで株式投資の銘柄選びも違ってきます。
金融工学の知識は投資家にとってはなくてはならないモノです。
すべての商品を債券化することができる先物のマーケットはこれからも進化していくことでしょう。
すべての裁定取引が自動化されてAI になった時にどのようにマーケットが動くのか?
楽しみです。