サラリーマン投資家は日本株に投資をするべきかアメリカ株に投資をするべきなのか
オハマの賢人ウォーレン・バフェットは、これまでに数多くの企業に投資し、実績を作ってきています。
彼がアメリカ人であることからも、主な投資先はアメリカの企業となっています。
しかし、過去には中国の石油会社や韓国の鉄鋼会社などにも投資をしています。
もちろんウォーレン・バフェットの投資対象はアメリカだけではありません。
しかし残念ながら、これまで彼は日本株に対しては一度も投資を行っていません。
やはり、投資対象として日本は魅力のないマーケットなのでしょうか?
とても疑問です。
何故?
日本株は長期的な投資には向かないのか私たちサラリーマン投資家はこのまま日本株に投資をし続けても良いのか?
考えてみたいと思います。
目次
日本株に投資をする問題点とは
① 日本株は価格変動が大きい(*ボラティリティが高い)
*ボラティリティー とは、一般的に価格変動の度合いを示す言葉です。
「ボラティリティーが大きい」という場合は、その商品の価格変動が大きいことを意味し、
「ボラティリティーが小さい」という場合は、その商品の価格変動が小さいことを意味します。
日本の株式市場は海外の投資家の稼ぎ場になっています。
外資系証券会社のディーラーは、日本の株式市場はボラティリティが高く収益チャンスが転がっていると言っています。
これは、トレーダーにとってはメリットでもあります。
しかし、安定した長期的な投資には日本の株式は向かないとも言えます。
世界同時株安が発生して、世界の主要株式市場の価格変動性は高まってはいる中で日本の株式市場の変動幅は特に目立っています。
〇日経平均過去最高高値を今だに抜けない
過去のチャートでもわかりますが、
日経平均株価も1989年の大納会(12月29日)に記録した38,915円の高値を今だに抜けません。
かたや米国市場は、
世界大恐慌、ブラックマンデー、
911、リーマンショックなどの暴落を繰り返していてもダウは史上最高値を更新し続けています。
今までのチャートからもわかりますが、
アメリカの大型株は日本に比べて急激に下がることもなく、
株価の戻りも早く感じるのは私だけではない筈です。
②日本のマーケットはアメリカのマーケットに左右される
株の格言で「アメリカがくしゃみをすると日本は風邪を引く」と言われていますがよく言ったものです。
やはり、アメリカの経済に日本のマーケットは左右されます。
2001年のアメリカの同時多発テロの影響や、
その後のリーマンショック、ギリシャショック、ブレグジット、チャイナショックと世界で何かあるたびに日経平均は値を下げています。
何故?
海外で起きたことで日本のマーケットが影響を受けるのか、
簡単に言ってしまえば、日本株の売買の64%が外国人投資家だからです。
世界で何かある度にリスクヘッジで資金を引き上げるから日本の株価が下がるのでしょう。
このことも日本株は長期投資に向かない理由のひとつです。
③ 日本企業を信じて良いのか
2006年にライブドアによる粉飾決算がありました。
東証の取引全面停止、
ライブドア関連銘柄の信用取引ができない状態いわゆるライブドアショックです。
有名な大型株を保有していても安心できないのが日本のマーケットです。
老舗の東芝も然り、神戸製鋼も日産も不正ばかりの報道が目立ちます。
このような大きな会社が不正をしていたのでは、
どの会社を信用すれば良いかわかりません。
そして、まだ日本のマーケットはアメリカに比べると小さな市場と言わない訳にはいきません。
④アメリカに比べて株主還元が少ないこと
アメリカの企業の配当利回りは日本の企業の平均利回りよりも高くなっています。
日本企業は、増配どころか減配する企業が多く、それなのに内部留保は過去最高を記録しています。
社員に還元するならまだしも、給料もさほど増えていません。
日本式の「株主優待制度」で還元してくれている事を期待していても、急な株価の下落に遭う事もあります。
ですから、ドットコムバブル崩壊や100年に一度の金融危機でも増配を繰り返してきた米国株にこれからも期待をして投資したほうが賢明だと思います。
⑤日本の人工の減少経済発展が見込めそうにないこと
2100年には日本の人口は4200万人と、現在の3分の1になると予想されています。
経済的にも人口減少する国が衰退して行くのは容易に想像できます。
しかし、一方でアメリカは今後も人口増加が見込まれ、経済発展が続いていくと思われます。
どうでしょうか?
このような理由から長期的にはアメリカの株式の方が有利なのではないかと思います。
日本の株式投資は中期的に中型株を狙え
日本株よりもアメリカの株を保有した方が長期的には優れていることはわかりました。
長期的な投資には日経平均よりもアメリカのダウ平均やS&P 500に連動するインデックスファンドを購入し続けることをおすすめしています。
しかし、アメリカの株式は良くて、日本の株式はダメなのか?
ということではなく、
株式投資は長期的な投資と中期的な投資、短期的な投資は全く別物だと言うことです。
ですから、日本での株式投資が全く儲からないのかというとそんなことはありません。
過去、リーマンショックの時はほとんどの株価が下がりました。
しかし、リーマンショック後も直ぐに回復して、上昇した株式が日本にもいくつもあります。
そこで、日本の株式で「テンバガー」になった企業をいくつか紹介し解説していこうと思います。
*テンバガーとは、ウォール街の業界用語(スラング)に由来するもので、10倍株(大化け株)のことをいいます。
え
〇テンバガー大化け銘柄2012年以降で株価が10倍になった人気のある銘柄を紹介
△RIZAPグループ <2928>
2014年1月には株価50円台でしだが、2017年11月には3090円まで上昇し、株価は約50倍超となりました。
テレビCMでおなじみのプライベートジム「ライザップ」を展開しています。
美容や健康関連などの通販企業から糖質ダイエットブームに乗り急成長し、最近は様々な企業の買収に乗り出しています。
赤字企業を次々に買収しています。
アパレルのジーンズメイトを買収し、ジーンズメイトが二日間ストップ高になりました。
△スタートトゥデイ <3092>
2013年には株価200円台でしたが、2018年5月には3945円まで株価が上昇、株価は約10倍超となりました。
服飾ネット通販「ZOZOTOWN」を運営しています。
有名アパレルブランドを多数展開しているほか、ネット通販拡大の波に乗って急成長。最近は採寸用ボディスーツ「ゾゾスーツ」も手掛けています。
△ガンホーオンラインエンターテイメント <3765>
2012年8月には株価20円台でしたが、2013年5月には1633円まで上昇します。
株価は約80倍超となりました。
スマートフォンやタブレット端末が登場し、ソーシャルゲーム人気に火がつき、中でも、「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」という大ヒットタイトルが誕生し、株価は一気に急騰しました。
△ペッパーフードサービス <3053>
2014年4月には株価200円前後でしたが、2017年10月には8230円まで上昇、株価は約40倍超となっています。
従来からある「ペッパーランチ」にくわえ、立ち食いステーキ店「いきなりステーキ」を展開しています。
スタンディングでステーキを食べるという新スタイルが支持されたことや、糖質ダイエットブームの波に乗って急成長を遂げました。
誰もが知る日本の企業良いニュースや材料は身近に存在しています。
数年で株価が大幅に値上がりした企業をいくつか挙げてみましたが、何か気づくことがあるのではないだろうか。
この生活の一部から将来性がある企業を見つけることが株式投資の醍醐味でもあり、
日本株投資の良い部分ではないでしょうか?
株式投資と言うと、銘柄を探す時に何か高度なテクニックが必要だと考える人が多い
かもしれません。
しかし、紹介した銘柄を見てわかる通り、
私たちの生活の身近なサービスや製品を展開している企業が大化け銘柄になることはよくあることです。
株価が上昇して大化けするような銘柄は、
景気が良い時はもちろんのこと、景気が悪い時でも、
私たち消費者に支持されて成長を続けることが多くあります。
【最後に】
過去、 サラリーマン投資家が日本株に投資をして勝てなかった理由は
、1989年にバブルが崩壊して以降、日本株が長期で低迷し続けてきました。
だから株式投資では勝てなかった。
しかし、何故?
当時の日本人は米国株をはじめとした外国株に投資しなかったのかここが問題です。
答えは、当時の日本はネット証券なんてありませんから、外国株投資へのアクセスが限られていたわけです。
そのため、多くの個人投資家は日本株で短期投資するか長期投資するかしか選択肢がなかったということです。
しかし時代は変わりました。
誰もが世界の株式市場に簡単に分散投資することができるようになったので、日本の投資家たちは日本というひとつの市場に縛られることはなくなりました。
ですから、これからの投資は日本、アメリカ、そして新興国と幅広く投資をするべきです。
そして、株式だけではなく不動産リートや商品先物や債券、
仮想通貨など色々な金融商品に分散投資をすることをおすすめします。
そもそも日本の株式市場なんて世界の時価総額で言えばわずか10%にも満たない小さな市場でしかありません。
一方で米国の株式市場は全体の半分を占めているので、米国の株式市場を中心に投資することは世界の投資家からすれば当然のことなのです