長期投資のメリット・デメリット
すべてのアクティブファンドは、ほとんどインデックスファンドに勝てないと言われています。
アメリカのサラリーマン家庭が老後の資金として投資をして、
おじいちゃん、おばあちゃんになったときに億り人(1億円以上の資産を作った人)になっていた人達がやっていた投資方法は、
ただ毎月の給料を大型株やインデックスファンドに投資をし続けていた人達です。
株式を買ったらそのまま売らないでホールドすることが投資で勝つひとつの方法だと言われています。
しかし、長期投資は本当にデメリットはないのか、
そして、長期投資のリスクについて解説しながら長期投資のメリットを紹介していきます。
サラリーマンこそ長期投資をするべき
株式投資を始める時に、リスクやリターンを考えて、
短期売買か中期的な投資なのかと悩む前に
「投資スタイル=生活スタイル」として考えることが重要です。
一般のサラリーマンや主婦に長期投資が推奨される理由は、
毎日忙しい人でも、無理なく継続して資産を運用できる点にあります。
普通に会社に務めている人や家事に追われている主婦が、
日に何度も株価をチェックして売買することは難しく、
落ち着いて仕事や家事に取り組むことはできません。
長期投資は、時間にとらわれずに、
株式マーケットの株価の、
上がり、下がりを気にしないで投資をし続けることが出来るのが最大のメリットでもあります。
ですから、生活も資産も守りながら成功に近づけるのです。
まず長期投資のデメリットは
①利益がすぐに得られない
当たり前のことですが、
長期投資は10年、20年、30年と期間を決めて行う投資方法です。
実際に利益が得られるのは数年先になります。
長期投資では購入したファンドが短期的に値上がりした場合でも、
極端な値上がりでなければ保有することを選びます。
将来的なインデックスファンドの成長を見込んでの投資であり、
数週間という短期的での成長は、ほとんどありえません。
ですから、長期投資を行う際、利益を得られるのは10年、20年先をイメージする必要があります。
②運用コストが大きくなる
投資信託やロボアドバイザー等で長期投資を行った場合は、
投資商品を保有しているだけでコストが発生します。
実際の運用はファンドが行うため、
「運用管理費」や「手数料」といった費用が発生します。
運用コストも含めた運用益を期待できる商品を選定しないと、
値上がり益はあっても収支がマイナスになることもあります。
配当が受け取れるファンド等は、元金から配当が支払われる場合もあります。
てすからファンド選びが重要になりますが、
言ってしまえばETF を購入して、
毎月買い続けることによって手数料を安く済ませることができるでしょう。
③ファンド選びで失敗するとお金と時間のロスが大きい
長期投資の場合、結果が分かるまでに時間がかかるため、
最終的に損切りで終わると、その投資資金だけでなく、
それまでの多くの時間を無駄にしてしまいます。
*長期投資の場合は損切りをせずに買い続けることです。
そのため、値下がりしたファンドを「いつか上がるはず」と保有していても、
10年経っても上がらずに終わった場合は、10年もの年月と資金を無駄にすることになります。
このことは、仮想通貨投資でも言えることです。
ビットコイン等の仮想通貨の投資で長期投資の最大のデメリットは仮想通貨そのモノの価値がゼロになってしまうことです。
しかし、インデックスファンドは兎に角、持ち続けることが重要です。
統計的にも長期的には右肩上がりになっています。
長期投資のデメリット機会損失とは
機会損失とはビジネス用語でもありますが、株式投資での機会損失とは?
簡単に言ってしまえば、
株式を売れる時に売らなかったということや上がると思っていたのに株式を買っていなかったということです。
しかし、長期投資は株式を長期的に売らない方法です。
持っている株式の価格が上がり売れるのに売らないので機会を逃してしまいます。
その後に株価が下落するとあのときに株式を高いときに売ってから買い戻せばよかったということになります。
この部分が一番長期投資のネックになります。
仮にうまくトレードできればよいのですが、
売った後に株価が下がらずに上がってしまったら意味がありません。
この機会損失に心理的に打ち勝ってるかが長期投資のカギになります。
ですから、あまり短期的にトレンドに左右されずにほったらかしにしておくことが重要なのです。
長期保有していたのに少し値上がりしたところですぐに売ってしまった。(その後株価は何倍にも上昇した)
短期トレードで売るつもりだったのに長期保有してしまった。(損切りできずに売るに売れなかった)
いずれも、よくある投資の失敗パターンです。
株式投資の初心者が失敗するケースとして、
高値をつかんでしまい売れない、
株価が下がり、まだ下がるのではないかと損切りしてしまうこのことは機会損失を理解していないから起こることなのです。
長期的投資の最大のデメリットは機会損失だと断言できます。
株式投資のサイクルとして必ず下落トレンドが訪れます。
そこで長期的に株式を持ち続けることが機会損失になるということなのです。
しかし、それもそこで損切りしないで持ち続けることが一番の損失の回避になる。
機会損失の最大のリスクヘッジは持ち続けることでもあります。
長期投資のメリットは
①複利の効果を得られること
長期投資の最大のメリットともいえるのが複利の効果を得られることです。
ファンドの配当金や利息をそのまま投資資金に回すことで、
以前よりも元金が増えているので、利息(配当金)が多くなるため、
期間が長ければ長くなるほど、雪だるま式に資産が増えていくシステムです。
投資家が、長期投資で成功した要因のひとつとして、こんな格言があります。
「長期投資は利益確定するまでに一切の税金を支払う必要がないので複利効果を最大化できる」というモノです。
インデックスファンドに投資をし続けることも枚数を増やしていくこと、
毎月同じ金額を買い続けることが大切です。
②短期投資よりもリスクをコントロールできる
「継続して投資を続けること」が一番大切なことです。
一度に大きなリターンを狙った結果、失敗して大損失を被り、
投資資金が底を尽きてしまっては元も子もありません。
ファンドを複数持ち、
資産を分散させることで短期投資よりも安全に資産を運用することができます。
そして、銘柄は一度に購入するのではなく、
毎月一定額というように時間を分けて投資することで、
高値で購入するリスクを減らす事ができます。
この手法を*ドルコスト平均法といい、株式投資でよく見られる購入方法です。
ビットコインや投資信託の長期投資では目先の利益よりも金融商品の枚数を増やすことが重要です。
③売買手数料や税金のコストが下がる
デイトレードなどの短期投資の場合は、
売買を頻繁に繰り返すために、売買手数料や税金が発生する回数も多くなります。
しかし、長期投資の場合は長期間に渡って成果を見るため、
短期投資ほど売買を行わず、結果的に手数料や税金が発生する回数も少なくなります。
*仮想通貨投資は株式投資と違い税制が優遇されていません。
仮想通貨投資の売買で得た利益は雑所得扱いになってしまいます。
そこで、仮想通貨ビットコイン投資でも長期的にビットコインをホールドする投資方法により税金が発生しないメリットがあります。
④頻繁な値動きに左右されない
心理的にも気楽になれる、長期投資は長期的に見たときに値上がりしていれば良いため、
日々の株価の値動きを気にしなくて済みます。
極端に言ってしまえば月に一度、
ファンドを購入するときに株価を見れば良いし、
大きなニュースを掴んでおけばよいので生活のリズムを崩すことがありません。
そこで、長期投資では大きなニュースが出たときや有事が発生したとき、
株式市場の大波が来たときにうまく乗ることができます。
やはり、長期投資と違い、
短期の的なトレードでは、株式市場のビックウェーブに乗れないこともあります。
【長期投資の心得】
①資産配分を決める
長期投資においては最も重要なポイントはポートフォリオです。
ロボアドバイザーに任せるということもありますが資産を分散することが大切です。
国内株式・海外株式・国内債権・海外債権・金投資・不動産投資など、銘柄ではなく資産レベルで投資先を振り分けることです。
②ファンドに組み込まれている会社を理解する
世界一の投資家であるウォーレンバフェットもインデックスファンドS&P500をオススメしています。
ここでウォーレンバフェットはどのように企業を選んでいるのか載せておきます。
〇人を幸せにする企業であるか
〇シンプルな事業内容で、理解できるか
〇事業実績が安定しているか
〇経営者が合理的であるか
〇自己資本比率を上げようとしているか
〇自分が応援したくなる企業なのか
株式投資とは株価に投資をするのではなくその会社に投資をすることです。
将来に投資をすることなのです。
そこで、自分の理解できる企業に投資して、
理解できない企業については割安となっている企業に対しても投資は行わないようにすることが大切です。
②大きな景気の流れやマーケットを確認する
長期投資なので細かくマーケットを観る必要はありませんが、
大まかな市場の景気の流れを掴んでおくことはとても重要です。
株式投資であれば、
市場の展望を見てから、各市場毎に個別株を複数保有する方法があります。
投資信託であれば、世界や国を投資対象とした商品があります。
大きなニュースを掴んでおくことにより、ポートフォリオを見直したときのリバランスにも役立ちます。
③時に損切りも必要だと心得る
長期投資を実行する人の中には、
購入したらどんなに値動きしても保有するだけという人もいますが、
長期投資においても損切りは必要です。
ストップロスオーダーを決めておくことも大切です。
最悪ここまで落ちたら損切りするということを決めておく
株価が極端に下がっても売却しない限りは損にならないため、
損切りは不要と主張する人もいます。
この考え方も正しいのですが、
これは長期投資を実践しているというよりは、
考えることを放棄していると言えます。
購入時よりも環境・企業が変化し、株価が下がってきた場合は、
再度、投資先の金融商品を見直すことも大切です。
ひとつ言えることは、長期投資の場合は、
NYダウの影響やサプライズ決算の影響がすべて反映されてしまいます。
確実に打撃をくらってしまいます。
株価が上がっても下がっても持ち続けるというのがウォーレン・バフェットの考え方ですが、
心理的にはできることなら値下がりの影響は受けたくないというのが本音だと思います。
時には思いきった損切りも有効かと思います。
④ゴールを決めておく
一般的に、年齢と共に取れるリスクは小さくなっていくため、
いつまでいくつまで投資をするのかゴールを決めておく必要があります。
投資においては「資産形成」の時期と「資産活用」の時期があります。
若い内は収入の一部を資産形成として投資に回すことが可能ですが、
老後は収入も少なくなるため、無理に資産形成を目的とした投資をすべきではありません。
また、目的意識を持つことも大切です。
利益が出たときにどのように使用するのか?
楽しみがないと投資は長続きしませんから。
【最後に】
有名な投資家ウォーレン・バフェットは、
年間リターン20%以上を何年も維持し続けて巨額の富を築きました。
このことはアノ、ウォーレン・バフェットでも年利20%しか取れないのだから
これ以上のリターンが得れる投資話はすべて詐偽だと言えます。
(自分でFXなどのトレードスキルを身に着けた場合は話は別です(^^)/)
しかし、年利20%というのは複利を含めて今までの持っている株式のポジションをすべて計算したときの年利率です。
何が言いたいのかというとウォーレンバ・フェットは
長期で株式を保有していたから20%もの、リターンを得ることができたのです。
短期や中期で見たときに毎年20%モノ、リターンのある金融商品は絶対にありません。
ウォール街のランダムウォークという投資のバイブルがあります。
本の中でも株式市場は長期で観ると右肩上がりで上がっていて、
そして、アメリカのインデックスファンドはすべての金融商品を上回るリターンを得ていると歴史が証明しています。
もう一度言いましょう。
すべてのアクティブファンドはインデックスファンドには勝てないのです。