レバレッジETF の仕組みとその落とし穴とは
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日経平均株価が激しい動きを見せています。
そこで、レバレッジ型のETF が非常に人気となっています。
ETF よりも利ざやが取れるということやレバレッジをかけることで長期的にもETF よりも有利ではないのかと間違った考え方をしている方がたくさんいます。
レバレッジ型のETF の仕組みを理解していない人がたくさんいること仕組みを理解しないで投資をすると大きな損失に繋がります。
そこで、レバレッジ型のETF の仕組みと利用上の注意点を簡単に解説していきます。
目次
レバレッジとは?何故これほど人気があるのか?
レバレッジとはテコの意味です。
少ない資金で大きな金額を取引できる事をレバレッジ効果と呼んでいます。
FX や先物取引も資金の何倍もの取引が可能です。
レバレッジ取引やレバを何倍かけた取引と言うような呼ばれ方をしています。
ETF のレバレッジ取引は基本国内では日経平均やTOPIX 指標に連動する、
インデックスファンドETF が元指数の2倍、
4倍の値動きをするモノをレバレッジETF と呼んでいます。
レバレッジETF の商品にアメリカのダウに連動するモノもありますが、
レバレッジETF と言えば日経平均に連動するモノを指すのが一般的です。
レバレッジ型ETF(上場投資信託)が人気なのは、
個別銘柄を選ぶことが省ける上に、
代表的な「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(日経レバ)の売り上げ代金が大型株と同じ位あり、
流動性の良さや、出来高の高さがあり、日経やTOPIX の連動するインデックスファンドよりも値上がりしたり、
*株価の下落局面でも儲かることが出来る利便性があるからです。
ETF とは個別銘柄のように売買できる上場しているファンドです。
レバレッジ型ETFにも指標となる指数があります。
日本株を対象としたものでは現在、
日経平均・TOPIX・JPX日経インデックス400それぞれについて、
ブル(レバレッジ)型、
ベア(インバース)型、
ダブルインバース型の
計9種類が指定されています。
*投資信託では、ブル型、ベア型の商品が販売されていて、
ブル型は相場が上昇しているとき、ベア型は相場が下落しているときに利益が出るように設計された商品となっています。
いずれも日々の騰落率が、
日経平均など元指数の2倍、
マイナス1倍、マイナス2倍となる値動きをします。
例として、日経レバレッジETF の場合
日経平均が3%値上がりした日は6%値上がりし、
2%下落した日は4%下がります。
一方、日経平均ダブルインバース・インデックスの場合は日経平均が3%値上がりした日は2倍の6%下落し、
日経平均が2%下落した日は4%上昇するといった具合に、
元の指数と符号が反対の値動きとなります。
テコ(レバレッジ)のように元指数の何倍かの動きをするため、
これらを総称して“レバレッジ型”もしくは“インバース型”ETFと呼んでいます。
レバレッジETF の仕組みでは長期投資してはいけない
レバレッジETF は、長期的にもっていてはいけません。
あくまでも短期売買をする金融商品です。
東証もレバレッジETF は持ち続けると損失が出ると言っています。
2倍に値動きををするのであれば、
長期的に保有していれば勝てるというのは本当に間違いです。
何故なら❗
それは、*乖離率が関係しています。
*かい離率とは?「株価が移動平均線からどれだけ離れているか」という意味で用いられます。
「乖離率」と表現することもあります。
少し難しいので簡単に説明すると、
レバレッジETF のかい離率とは元指数の(日経平均)からどのくらい離れているかということです。
持ち続けることで離れていってしまうのです
◇レバレッジETFNの三つの特徴
①連続上昇すると、元本が膨らみ、複利効果で価格の2倍以上上昇していく(下落も同じ)
②上下動するレンジ相場では、価格が下がっていく
③一旦下落すると元本が小さくなるので、市場が回復してもETFの回復が追いつかない
日経平均が連続上昇すると、
元本が膨らみ、複利効果で価格の2倍以上上昇していく(下落も同じ)
上下動するレンジ相場では、価格が下がっていく
一旦下落すると元本が小さくなるので、市場が回復してもETFの回復が追いつかないのです。
例として、2013年、2014年の2年間で日経平均株価がちょうど2倍になっていたとしても日経平均レバレッジETFは4倍になっていません。
レバレッジETF は長期で持てば持つほど、
最初の目的から乖離していきます。
レバレッジETF は短期のトレードと割りきるべきです。
東京証券取引所が作成している資料でも、
明確にレバレッジ型のETF は、
『長期保有すると、想定と異なる価格変動が生じます』いっています。
レバレッジETFの仕組み「一物二価」の特性とは
レバレッジETF は上げ下げを繰り返す相場では目減りしていく特徴があります。
もうひとつの原因は、
レバレッジETFやブル型ベア型投信は投資家の資金を集めて運用される投資信託の一つですが、
運用者は毎日運用残高の2倍になるように日経平均先物を買い建てています。
つまり日経平均株価が上昇すれば先物を買い増し、
下落すれば減らすという調整をしているのです。
日々の変動率は日経平均株価の変動率の2倍にはなるが、
この日々の調整のために1日以上の期間で見ると変動率の2倍にはならないのです。
レバレッジETF の仕組みで長期投資はしてはいけない
レバレッジ型ETFは短期もしくは超短期の投機性が高い金融商品です。
実際、運用会社は商品説明で、
「一般的に長期間の投資には向かず、比較的短期間の市況の値動きを捉えるための投資に向いている金融商品」と明記しています。
このようにレバレッジ型ETFは長期保有に適さないので、
「NISA口座を利用して非課税で5年間持ち続けよう」というという投資方法は全くおすすめできません。
レバレッジETFの仕組みはトレードになれた人向けです
日経平均先物や信用取引よりも簡単にレバレッジをかけた取引ができるのがレバレッジETF の魅力です。
日経225先物にチャレンジする前にレバレッジETF で勝負するのも良いと思います。
日経平均が上がると思えばレバレッジETF を購入する、
そして売り抜けるというようなトレード思考の強い商品です。
また、いくつかの投資信託やインデックスファンドの*つなぎ売りとしても利用できます。
つなぎ売りとは?
下落相場で損失を抑えるために保有する現物株式の同数だけ信用売り(空売り)すること。
マーケットの下落を察知していても簡単に売ることはできません。
ファンドを解約して損切りをすることはできません。
また、信用取引に口座を作っていないと空売りはできませんから、そこで活躍するのがインバース型ETFです。
インバース型ETFを下落相場の間だけ短期的に保有することでつなぎ売りとして機能させることができます。
インデックスファンドの損失分をベア型インバースETF で相殺するのです。
インバース型ETFは空売りとは違うので、
本来の「つなぎ売り」とはなりませんが、下落相場で対策を取らないよりは損失の出方に各段の差がつきます。
信用取引ができず空売りできない人や、
投資信託を保有している人には、
「つなぎ売り」の手段としてインバース型ETFを活用してほしい。
まとめ
日経平均が右肩上がりの成長を期待して、レバレッジETF を持ち続ける人がいますが、完全に間違いです。
きれいな順張りのトレンドが続くのであれば2倍に資産が増えていくでしょうが絶対にそのようなことはありません。
レバレッジETF はリスクも2倍になるということを忘れてはいけません。
日経平均先物やTOPIX の先物の入り口として、そして、短期的なトレードをするのであればとても良い商品だと思います。
私は、大きなマーケットの動きがあるときや大きなニュースが出たときに日経ブル型を買うこともあります。
そして、すぐに売る、インバース型も同様です。
日経平均が大きく下がった時にレバレッジETF を保有しているのと、大きな局面で買うことができる。
どちらが良いのか?
レバレッジETF は短期トレードと心得るべきです。