分散投資は本当な必要なことなのか?
ひとつの金融商品だけを買い続けることは、いけないことと投資の世界では言われています。
自分自身でその金融商品の価値に納得をしていて、
利益をあげているのであれば、ひとつの金融商品に執着してトレードを重ねていくことも良いと思います。
景気の悪化や不安定なマーケットで、
安定した資産運用を行いたいと考えるのは投資家にとって当然です。
リスクを回避する方法として分散投資の原則に立ち返り、
リスクを抑えた運用を行うために相性の良い資産の組み合わせについて考えてみたい。
目次
分散投資の組合わせの基本!
分散投資のポイントは、
異なる値動きをする資産、金融商品を上手に組み合わせることにより,
資産価格の変動(リスク)を抑えつつリターンを確保するということにあります。
連動性の低い資産に分散して投資をすることにより投資をしている資産が一斉に下落することを防止することができる。
例として、同じ日経平均やダウ平均に連動するインデックスファンドを
複数保有していても意味がありません。
インデックスファンドにプラスして、
アクティブファンドや国内と海外インデックスを組合わせる、
またはインデックスファンドと一般的な株式や債券、金融商品先物や不動産リート等を組合わせる。
こと、同じ値動きをするのではなく関係性が低い組合わせを選ぶことが正しいと言えます。
詳しく説明すると、
国内株式型と国際株式型や、
先進国株式と新興国株式の組み合わせもよいのですが、
株式投資内で投資対象の国を分けるカントリーリスクの分散だけではなく、
ポートフォリオの値動きを安定させるためには他の資産とも組み合わせることも重要です。
基本的な分散投資方法
分散投資は、具体的に投資先商品や地域、
通貨といった値動きの違う「投資対象」と、「時間」を分散していきます。
◇投資対象の分散 商品・地域・通貨
①投資対象で分散する 方法
主に、株と債券という値動きが異なる商品を中心に組み合わせて分散します。
また、不動産投資信託(REIT)、金や穀物といった商品に投資をして分散することもあります。
一般的に、株は債券に比べてハイリスク・ハイリターンですので、
投資をする人の取ることのできるリスクや目指すリターンに応じて、分散先商品の配分を調整します。
②地域を分散する投資方法
先進国と新興国、日本と海外といった区分けで、
アメリカ、欧州、アジア等、異なる地域に分散します。
より安定的(ローリスク・ローリターン)なのは経済の安定した先進国、
よりダイナミックに価格変動が起こりうる(ハイリスク・ハイリターン)なのは、経済成長の著しい新興国になります。
③通貨を分散する投資方法
円の他に、米ドル、豪ドルなど、外国通貨建てで分散します。通貨は、円ドル相場で一方が上がれば逆は下がるという補完的な動きになるため、通貨を分散しておくことで、インフレなどの通貨価値の下落への対応にもなります。
投資のセオリー通りの相関係数が小さく連動性が低い組み合わせ
①国内株式型と国内債券型を組合わせる
②国際株式型と国内債券型を組み合わせる
③国内債券型と国際債券型を組み合わせる
相対関係が小さく連動性が低い組合わせは安定してはいますが、リターンが少ないとも言えます。
また、株式との組合わせで国内REIT型資産や国際REIT型資産も債券を中心に他の資産との連動性が低い傾向にあります。
債券やリートを組合わせてよいのか?
しかし、私は債券ファンドや不動産リートは景気に左右されやすいというデメリットがありのでおすすめしません。
確かに、国内REIT型と国内株式の相関係数は大きく低下しています。
リスクを回避することにならないのではないかという金融のプロもいます。
しかし、リーマンショックを挟んだ2013年3月までは、
急落の後に株価とリートは回復するという比較的お互いが近い動きをしていたのに対して、
2016年は国内株式市場で株価が伸び悩む中でREITは上昇傾向であったこと、
反対に2017年以降は株高の中で国内REIT市場が不調であったことなど、
両者の値動きが異なったこともあります。
確かに、分散投資としては良いと思うのですが、
分散投資は利益も分散してしまうことも忘れないでほしい。
ひとつ過去のチャートで言えることは、
リーマン・ショック後に回復する株価は国内よりもアメリカの株式の方が大きく成長していること、
長期的な投資ではやはり、国内の株式はアメリカのインデックスファンドには負けています。
その事もふまえて、私は株式の組合わせで十分に分散投資が可能だと思っています。
また、海外の株式と債券ファンドは為替のリスクがあります。
為替相場の要因が大きい点に注意が必要です。
安定性して投資を行うのであれば、
積み立てNISAを利用して、「為替ヘッジあり」の投資信託を活用することです。
初心者が簡単な分散投資をするのであれば、
投資信託を数本持ち続けることが一番だと思います。
分散投資インデックスファンドの長期投資には勝てない!
過去のチャート20年間投資をしていたら
仮に、世界経済株式投資のインデックスファンドに1996年から投資したとすると、
2000年までのITバブル絶頂までの4年間で元金が約2倍になります。
しかし、バブルが弾けた後は一度元に戻ります。
そして、投資を始めてちょうど10年経つ頃には米国不動産がバブルになり株価が約2.5倍まで上がります。
そして、またリーマンショックが来て約半分近くまで下がり、
その後の6年間保有を続けてちょうど20年で約3倍ということになります。
分散投資投資の誘惑に勝てるのか?
仮に1996年に投資をしてから一度も残高を確認せずに、
20年間そのまま放置していたら、投資をしていた元金が3倍以上になっていたということになります。
20年間で3倍になることが凄いことなのかは、投資家の判断するところです。
まとまったお金を長期にわたり預けいれている人、
こつこつ長期的にインデックスファンドの成長を信じて複利の効果で投資をしている人にはいくら分散投資をしていても勝てません。
何が言いたいのかというと分散投資をしていてもマーケットに応じて、
うまく損切りできる人やリカバリーできる人はあまりいないのが現実です
心理に勝てるのか!!
様々な情報がメディアを通じて、個人投資家に届きますから、
その度に特に悪い情報にどうしても投資家は反応をしてしまいます。
過去のマーケットで、最初のITバブルが弾けたときに、
「どうしてピークで現金にしなかったのか」と後悔をします。
そして、次にバブルがきたときにはもっとうまく立ち回れる筈だと、
その自信、知識から後悔回避の行動にでます。
そして、リーマンショックが起こる前、
投資金額が2.5倍になったときに全部売却して現金にできたとします。
その時の投資家心理は、「ベストなタイミングで売り抜けた、これで後悔をすることもない」と成功したと思うことでしょう。
ただ、そこから再度マーケットに入るタイミングが難しいのです。
その後のマーケットも乱高下が続きます。
リーマン・ショック後にそのまま投資をせずに仮に、現金で持っていたとします。
そうすると、20年間での年利率は約4%です。
一方で、20年間そのままにしておいた場合の年利リターンは約6%になります。
計算上では、リーマン・ショックの前に売り抜けた人よりも長期で保有していた人の方が高いリターンを出しています。
分散投資をしているからと、
うまく損切りして売り抜けているように見えて実はそのままにしておいた方が利益が出ていたということもあるということです。
分散投資のメリットデメリットまとめ
分散投資のメリットは*長期(10-20年)で行えば安定した利益が得られる可能性が高いということです。
そして、持っている資産を目減りから守る方法にもなる
分散投資のデメリットは、時間がかかり、それほど大きくは儲からないということ、資産を分散する分、管理に手間がかかります。
分散投資は、やはりどちらかというと、守りの投資手法といえます。
ですから、初心者やあまり大きなリスクを取りたくない人や時間のある若い人が着実に長期的に資産形成する目的で行うことをおすすめします。
結論を言ってしまえば長期的にインデックスファンドを保有する投資が一番確実で安定しているということです。