ロボアドバイザー投資とは?種類とメリットを解説
経済大国アメリカでは、10年以上前に数々のロボアドバイザーのスタートアップが生まれ、
顧客の数を増やしてきました。
巨大な資産を運用する老舗の金融大手も早くから導入し、
伸びる市場でのシェア争いを続けてきています。
日本でも2020年迄にAI を使ったロボアドバイザーの規模が、
5兆円程に拡大するだろうと言われています。
アメリカや日本でも大手資産運用会社がベンチャー企業を買収するなど、業界再編の動きも始まっています。
約1800兆円にまで膨れ上がった家計金融資産を誇る日本の「貯蓄から投資へ」の流れをロボアドバイザーに引き込もうと、各社がしのぎを削っています。
目次
究極のほったらかし投資?ロボアドバイザーとは
人間とAIでの投資運用の違い
大手証券会社のゴールドマン・サックスが600人いた株式トレーダーを2人に減らして代わりに人工知能(AI)に仕事させるというニュースは衝撃が走りました。
人間は、やはりトレードではコンピューターに負けてしまうのか?
そんな疑問を感じています。
スキャルピング短期売買では勝てない
トレードの機械的なルールによる売買であれば、
人間は絶対にコンピューターには勝てません。
まず明らかなのは、
機械的なルールを使って利益を出そうとする売買は、
確実にコンピューターに負けるということです。
今までのマーケットは株式が暴落するときにある程度のタイムラグがありましたが、
今の相場はAI によるプログラムによるトレードがほとんどです。
物凄いスピードで売買を繰り返します。
そして、下がると思えば売りが売りを呼び込みます。
そのときに個人的なトレードでは勝てる訳がありません。
仮に、午前の寄り付き前の板を見て瞬時に判断して買うかを決めたり、
1分1秒を争うスキャルピングなんかはコンピューターのほうが強い訳です。
そして、AI にトレードをまかせることは感情に左右されないということです。
確実に損切りを行えるということがコンピューターのメリットといっても良いでしょう。
しかし、逆に人間の心理で動くマーケットや感情で左右される相場では、
コンピューターが反応できないということがあると思います。
また、ルールというのは金融会社により様々だということもあり、
必ず勝てるプログラムというのは存在しません。
そうです、
マーケットは、
勝ち負けのタイミングが人それぞれ違っていてハッキリしていないことです。
そして、動かす株数やタイミングも人それぞれ自由であるということは、
学習していくAI が必ずしも同じように学習していくのかは、甚だ疑問です。
そして、予期していないことが起こった時にどのようにAI が判断するのかということは誰にもわからないということです。
瞬間、瞬間で誰かが儲かって、
誰かが損をし、お金が移動していくわけですから、
そもそも勝ち負けを繰り返して最終的に儲かった人が勝ちなわけです。
相場に制限時間はありません。
10年間で1回だけ売り買いをして大きく買っても、
それはそれで勝ちなのです。
それが相場なのです。
様々な膨大なデータから学習していくAI による株価予測というモノをいくつかの証券会社が提供しています。
例として、大和証券のAIによる銘柄選定の6年分のシミュレーション結果は、
1カ月後の平均騰落率が全てTOPIXを上回り、
2カ月後の平均騰落率は、ほとんどの年次でさらに上昇する結果となっていました。
そして、1ヶ月の勝率が60%から80%の高い勝率を叩きだしています。
パーセンテージからも、株式投資をする上でAI の予測は無視できないところまできているのも事実です。
ロボアドバイザーの役割と将来性
ヘッジファンドが組み込んでいる投資信託がここ数年苦戦する中で、
AI系のファンドの成績が良好です。
この流れは今後も強まることとおもいます。
少なくとも短期の取引では、人間のトレーダーがほとんどいなくなるのは間違いないと思います。
超高速トレードはもちろんですが、
10分とか、あるいは1時間から数時間のトレードでは、
AI技術を使ったトレードでは人間はかなわなくなるということです。
今までの蓄積されたチャートを越えてくる
テクニカル分析では、様々なチャートが使われます。
これまで、人間が築いてきたチャートの経験則は本質を突いたモノです。
腕利きのトレーダーのコピーをAI に教え込みことではなく、
もっと多様な、硬直的でない、複雑で微妙な経験則を積み重ねていくことで現在のテクニカル分析を越えていく可能性があります。
有名な投資家、アメリカのブラックマンデーの時に空売りで大儲けした、
ポール・チューダー・ジョーンズ氏が、
運用成績の低迷を受けてAIを使った運用にかじを切った、といった話が伝えられています。
このことは、人間一人の抜きんでた才覚でやってきた20世紀型のファンドが白旗を掲げ、
AI によるプログラム運営を始めているということではないでしょうか?
従来のシステムとAI 自動プログラム
□従来の売買システムの場合
①新しい事や予期せぬ未来に起こり得る事には適応できない
②判断基準が過去のデータを重視する
③常に人間の手でプログラミングしなくてはならない。
□AI自動売買
①AIは自らが知能を積み上げる
②突然の相場になっても出来る限りの正しい判断を試みることができる
従来の自動売買システムとAI自動売買システムの一番の違いは、
過去のデータで判断するか、
過去のデータはなくても
AI自動売買システムは、
未来に対する判断も下す事が出来るようになったということがとても大きなことです。
今までのトレードの常識はもはや通用しません。
今後はAIを上手く利用していく側になる事がトレードの成功の秘訣だと思います。
ロボアドバイザー投資の種類と特徴
ウェルスナビ(WealthNavi)
ウェルスナビは投資家のリスク許容度に応じて、
6、7銘柄の海外ETFを組み合わせた5通りのポートフォリオを提案するというシンプルな設計です。
手数料も安く、本格的な長期運用ならウェルスナビはオススメです。
テオ(THEO)
注目のTHEOは、運用資産の組み合わせに応じて、
約40種類の海外ETFから231通りものポートフォリオを用意しています。
簡単に始まるのであればこちらもオススメです。
楽ラップ
楽天証券が提供する『楽ラップ』はETFではなく、
インデックスファンドの組み合わせを提案しています。
一般的にETFのほうが低コストと言われますが、こちらは低料率のインデックスファンドを厳選しています。
また、楽天証券の「ロボのぶくん」は取り扱っている2400本以上の投信から選び出した5本の組み合わせを提案しています。
マネラップ(MSVLIFE)
「マネラップ(MSV LIFE)」は質問への回答に基づいて、
8種類の「MSV内外ETF資産配分ファンド(A~Hコース)」のいずれかを推奨しています。
その他にも、カブドットコム証券は、
「FUND ME」も取り扱う投信から抽出した数パターンのポートフォリオを提案しています。
そして、「松井証券の投信工房」は国内や先進国、
新興国の株式および債券、
国内外のリート(不動産投資信託)、
コモディティ(商品市場)を運用対象とする
投信を組み合わせたポートフォリオでなかなかの内容です。
【ロボアドバイザー比較】
〇WealthNavi(ウェルスナビ)
運用手数料:1.0%(年率)
トータルコスト:運用手数料の1.0%+別途ETFの委託手数料(年率)
投資対象となるファンド・ETF:10,000種類
特徴: ノーベル賞受賞理論に基づいたアルゴリズムを採用
ロボアドバイザーTHEOのライバルとなるのが、WealthNavi(ウェルスナビ)の存在です。
THEOと同じく2015年に立ち上げられたベンチャー企業であり、
世界のETFに限定して投資するという点も同じです。
ベンチャー企業と言っても、
三井住友・みずほ・三菱UFJなどの大手金融機関系のベンチャーキャピタルが出資しているので、信頼できる会社です。
*SBI 証券から直接ログインできます。
ウェルスナビの独自機能「デタックス(DeTAX)」などを見ても、ある程度資産のある方向けの運用サービスという印象です。
本格的な長期運用を目指すのであればウェルスナビはオススメです。
〇MSV LIFE
運用手数料:0.648%(年率)
トータルコスト:0.99%未満(年率)
投資対象となるファンド・ETF:6,000種類
特徴1万円の小額からロボアドバイザーによる資産運用ができます。
MSV LIFEは、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問が提供しているロボアドバイザーです。
ネット証券大手のマネックス証券、
セゾンカードで有名なクレディセゾン、
そして低コストETFとして世界的にも有名な「バンガード」の3社による投資顧問会社のサービスということで、注目を集めています。
MSV LIFEの最大の特徴は最低投資額1万円からスタートできるロボアドバイザーであることです。
これまで一部の富裕層に限定されていた投資一任サービスが1万円から受けられることは、
もはや価格破壊の領域と言って良いと思います。
〇THEO(テオ)
運用手数料:1.0%(年率)
トータルコスト:運用手数料の1.0%+別途ETFの委託手数料(年率)
投資対象となるファンド・ETF:35~45種類
特徴世界への分散投資ができるのが強み、1万円から始められるロボアドバイザーです。
「お金のデザイン」というベンチャー企業が展開しているTHEOは、
投資対象を様々な資産に分散し、そして世界中のETFを投資対象としています。
例えば、THEOなら世界中の株式、債券、不動産などに分散投資が行えます。
まずは簡単に始めるのであればテオはオススメです。
投資経験がなくても質問に答えるだけで最適なポートフォリオを構築してくれます。
〇楽ラップ
運用手数料:0.702%未満(年率)
トータルコスト:0.99%未満(年率)
投資対象となるファンドやETFは15種類
特徴投資対象となる投資信託においても低コストなものをセレクトしています。
楽天証券が提供するロボアドサービス。ネット証券としては業界で一番最初にサービスをリリースしました。
ネット証券ならではの「低コスト」、「小額からの運用」の2大メリットを提供しています。
ロボアドバイザー投資で利益を出すためのコツ
長期投資の心構え
ロボアドバイザーの良いところは、ランダムウォークを繰り返すマーケットに一喜一憂しないことです。
また、ポートフォリオの組み入れを変えるリバランスも勝手に行ってくれます。
長期投資の一番の心構えは、
マーケットに振り回されずに毎月一定の金額を目標まで積み立てることです。
ロボアドバイザーの投資信託のポートフォリオは、
大きな金額を儲ける方法ではありません。
貯蔵から投資へ流れる現在、あなたの資産を守るひとつの方法です。
まず、ロボアドバイザーから投資を知り、
ロボアドバイザーを使った運用、株式、国債といったように分散していければ良いと思います。
ロボアドバイザーの長期的な運用は10年、20年という長期的なモノです。
焦らずにコツコツと投資と向き合いましょう。
注意点やデメリット
長期的な投資でやってはいけないことは、
やめてしまうことです。
毎月決まった金額を入れない月があってもあきらめないことです。
また、ロボアドバイザーの投資といっても元金を保証するモノではありません。
投資には必ずリスクがあります。
しかし、お金が増えないからと今月はマイナスだからと言って、
損切りをしたりしてしまうとまた一からになってしまいます。
目標設定額を決めたら投資をし続けることそれが投資の勝利の秘訣です。
おススメのロボアドバイザー投資とは
ネット証券大手のSBI 証券とウェルスナビは提携しています。
今までの証券会社のファンドラップ(Fund Wrap)投資一任運用サービスの一種は、
自社系列の運用会社の投資信託でポートフォリオを構成するために、
どうしても投資家にとって高コストになってしまいた。
しかし、ウェルスナビが投資対象としているのは海外に上場しているETFなので、
ウェルスナビとは一切関係がなく、中立的な立場で運営することができるのです。
SBI 証券の公式サイトから、ウェルスナビfor SBI に簡単に口座を開設することができます。
まず、最初に簡単な質問にいくつか答えるだけで、
最適な資産運用の方針を提案してくれます。
そして、その運用方針に従って自動的に海外ETFの買付をしてくれます。
いくつかのETF を組み合わせてバランスの取れたポートフォリオを構築してくれます。
すべてロボットが自動的におこなってくれるので後は、
ウェルスナビに任せておくだけです。
ウェルスナビのメリットはまず、
圧倒的な低コストの海外ETF、
そして、
ロボアドバイザーが選ぶ、
無駄のないポートフォリオ、
透明性の高い運用です。
また、値上がりした資産を売却して利益確定し、
その資金で値下がりして割安となった資産を買い増すことで、
ポートフォリオを最適化してくれる「リバランス」の作業を完全自動でおこなってくれます。
また、自動税金最適化(DeTAX)という独自の機能があります。
これは、他のロボアドバイザーにはない機能です。
複数のETFを保有し、
ポートフォリオを構築するとどうしても「含み損」になるETFも出てきます。
ウェルスナビでは、
含み損のETFを自動的にいったん売却することで損失を確定させ、
いわゆる「損出し」をおこなってくれます。
投資利益の税金は、利益を確定させた時に初めて発生します。
「損出し」をすることで、
確定済みの利益と相殺することができます。
利益をあえて目減りさせることで、
支払うべき税金を先送りし、
手元の投資資金をより多く確保することが可能です。
この自動税金最適化(DeTAX)によって、
投資効率を最大化できる仕組みが整っています。
長期的な運用でのロボアドバイザーではナンバーワンと言えるでしょう。
SBI 証券口座からログインして、
NISA口座とあわせることでかなりよい、
資産運用が行えると思っています。
まとめ
千円からワンクリックでスマホから株式投資が出来る時代です。
毎日の買い物のお釣りをカード決済から投資に回すことが出来て、
そのお金をロボットがあなたにあった金融商品を購入してくれて勝手に運用してくれます。
貯蔵から投資への流れはこれから益々増えていくと思っています。
私がいつも驚くのがほとんどの人が銀行に預け入れるよりも、
証券会社に預けた方が利息が高いということを知らないことです。
*ネット銀行等はカードの組み合わせにより金利が高い場合もあります。
また、1000万円以上のお金を預け入れる場合、証券会社の方が安全です。
証券会社に口座を開設してMRFに 預け入れるだけで利息がつきます。
毎月積み立てていた投資信託で利益がでたお金を株式投資に回したり、
株式を売却して投資信託に回したり、
そのお金を買い物に使ったりすることが
これからは簡単に素早く出来る時代が必ずきます。
そのためにもまずは投資をして、
ロボアドバイザーからでも金融リテラシーを身につけるへきなのです。
それを投資ふぁんサイトは応援しています。